治療について
三利堂の鍼灸治療 伝統鍼灸術「経絡治療」とは
日本で発展した東洋医学、漢方理論に基づく伝統的な鍼灸術です。
同じ「鍼」を使った治療であっても、現在一般的に広く行われている現代医学(西洋医学)式の鍼灸と東洋医学に基づく鍼灸では治療対象が全く異なることをご存知ですか?
解剖学・生理学を基とした現代医学の鍼では、痛みがある部位に関係する筋肉や神経などを目標として、神経反射を利用した治療がおこなわれています。
筋肉の凝りや痛みなどに対して効果がありますが、原因がなくなるわけではありませんので良い状態が長続きしないようです。
一方、東洋医学では治療対象はひとつの命(体全体)です。体は部分の集合体ではなく、あくまでもひとつの命ととらえて治療していくので、ある部分の症状はそこだけの問題ではなく全身の問題と考えます。
それを理論化したものが陰陽論・臓腑経絡学説・五行説といった生命のとらえかたです。
そのなかでも重要な「五臓六腑」は全身に「気・血」を巡らせ互いに相関し体の機能を統括しているため、一つが不調になれば様々な症状が現れることとなります。
そのため現代医学では別々の病気とされるものでも東洋医学の考えでは病の元は同じであったりします。
肩こり・腰痛 から 難病・膠原病と言われている病気まで、ほとんどの病気は五臓六腑の傷みや不和が原因となっています。
日本伝統の鍼灸術、経絡治療では東洋医学の生命観を基に脉やお腹の所見などを診て、「気・血・五臓六腑」を整える鍼を要穴と呼ばれるツボにおこない、病気の源を治療することで全身の症状を改善していきます。
現代西洋医学で改善が難しい症状には東洋医学の鍼灸治療をおすすめします。
治療のながれ
はじめての方はまず予診票の記入をしていただきます。
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【診察】
問診と治療の説明の後、診察をおこないます。
診察では主に脉診(手首の脉でからだの状態、病の原因を診ます)、腹診(おなかに軽く触れてからだの状態を診ます)をおこないます。
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【治療】
ほとんどの場合、鍼とお灸の両方を施術します。(どうしても鍼又は灸が苦手な方は申し出ください。)
治療中も脉・お腹を確認します。(鍼治療をおこなっていくと、治療中にもからだは変化していきます。状態に合ったツボ、鍼方を選ぶためです)
治療時間はそれぞれのからだの状態によりますが、概ね1時間くらいです。(小児の治療は短時間で終わります)
※腕は肘上まで、足は膝上まで出せる服装、首元が詰まっていないもので来院ください。ジャージなどを持参し着替えていただいても結構です。
((例えば頭痛であっても手足に鍼・灸をおこないます)
【鍼】
ディスポーザブル(使い捨て)のとても細いものです。
基本的にツボをねらうので浅いはりです。ほとんど痛みはありません。
痛覚の過敏な疾病や体質の方には接触鍼(刺さないはり)での施術もできます。
【お灸】
もぐさを使います。一般的なイメージでは親指の先ぐらいの大きさを想像しますが、こちらではゴマ粒~米粒程度のお灸をしています。
温かく感じたり、一瞬チクッと感じるくらいです。お灸は熱さに耐えるものではありません。慣れると気持ち良いものです。
鍼灸の適応疾患について
元来、鍼灸治療は全身的な根本治療であって対症療法(病名治療)ではありません。
(その人の不調や病気の元が治療目標ですので、一般に難病といわれているものも含め、ほとんどすべての病気が治療対象となります)そのため、いわゆる「病名」を列記すればきりがないのですが参考までにWHO(世界保健機関)が認めている適応症を紹介します。
[神経系疾患] 神経痛・神経マヒ・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
[運動器系疾患] 関節炎・リウマチ・頸肩腕症候群・頸椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症
[循環器系疾患] 心臓神経症・動脈硬化・高血圧、低血圧症・動悸・息切れ
[呼吸器系疾患] 気管支炎・喘息・風邪および予防
[消化器系疾患] 胃腸病(胃炎・消化不良・胃下垂・胃酸過多・下痢・便秘)・胆のう炎・肝機能障害・肝炎・胃、十二指腸潰瘍・痔疾
[代謝内分泌系疾患] バセドウ氏病・甲状腺機能低下症・糖尿病・痛風・脚気・貧血
[生殖・泌尿器系疾患] 膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
[婦人科系疾患] 更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道症・不妊
[耳鼻咽喉科系疾患] 中耳炎・耳鳴り・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
[眼科系疾患] 眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
[小児科疾患] 小児神経症(夜泣き・かんむし・夜驚・消化不良・偏食・食欲不振・不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質